薬剤師の皆さん、ドラッグストアで働いたことありますか?
『ドラッグストアの薬剤師なんて、バカにされるんじゃない?』なんて思っていませんか?
ドラッグストアでOTC薬剤師経験のある人は、意外と少ないんですよね。
今回は実際に私が経験した、リアルな体験談をお伝えします。
この記事はこんな人におすすめ!
- OTCを扱ったことがない
- ドラッグストアの仕事内容が知りたい
- 薬剤師としてドラッグストア勤務ってどうなんだろうと思っている
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ドラッグストアの薬剤師は何をしている?
私は、まだ登録販売者制度のない時代に、調剤のないOTC専門のドラッグストアで勤務していたことがあります。
そこでやっていた仕事内容としては、
- 品出し(医薬品、食品などなんでも)
- レジ
- 発注
- POP作成
- 棚替え
- OTC相談
仕事の頻度としても上記のような感じで、一番時間を当てていたのが品出しでした。
数人いた仲の良かった同期の店舗は、医薬品に時間をかけれる店舗ばかりでしたが、私が配属された店舗は社員が少なく、ほぼパートで回しているという状態でした。
そして、一番納品の多いのが食品だったため、自分の担当エリア関係なく、とにかく食品を片付けなければということで、白衣を着ているにも関わらず、昼過ぎ、納品が多いと15時くらいまで食品コーナーにいたこともありました。
同じような流れでレジのシフトにも入らなければならず、1日1〜2時間はレジを担当。医薬品コーナーのレジではなく、皆さんが買い物に使うレジです。
もう完全に薬剤師ではなくなっていましたね。
そして、納品、レジ以外は一応医薬品コーナーで仕事をすることができるのですが、なにせ医薬品の売上が悪い店でとにかく売れない。
買い物客は食品を買う人ばかり。
というわけで、医薬品コーナーで白衣を着ているにも関わらず、『醤油ケースでください』『砂糖ケースでください』などなど、暇そうに見えるのかとにかく重いものを運ばされる。
1日の8割くらいの時間を医薬品とは関係のない仕事をして過ごしていたのではないでしょうか…。
医薬品の仕事は主にどんなこと?
これは会社によるとは思いますが、私が働いていた会社はプライベートブランド(PB)があり、研修などでもとにかくPBの売り上げを上げるように言われます。
そしてこの売り上げが、ボーナスなどの評価につながります。
そのため、PBが売れるよう売り場の工夫を考えました。
POPを作成したり、棚の配置を少し変えて売りたい商品を目立たせてみたり、キャンペーンがあれば特に目立つよう大々的に宣伝したり。
普段保険調剤をしている薬剤師からは考えられないような、まさしく『商売』というような感じでした。
発注もチラシが入る時や季節商品、テレビでの放送で大きな影響が出る場合もあるので、色々考えつつ工夫していました。
OTC相談は少ない店舗でしたが、売り上げを上げなければいけないということもあり、こちらから積極的に声をかけて、PBへ誘導するということも行なっていました。
楽しかったこと、やりがいがあったことは?
保険調剤と異なり一番やりがいとなるのは、全て自分の考えの範疇で薬を選んであげられることではないでしょうか。
病院や調剤薬局で処方箋に基づいて調剤をする上で、どうしても付き纏うのが『医師の指示のもと』ということです。
服薬指導をしていて、医師の指示と自分の考えが合わずモヤモヤする経験は誰でもあると思います。
それがOTCでは薬剤師の立場として、一番お客様に合っていると思う薬を選択してあげることができます。
後日『よく効いたわ、ありがとう』なんて言われると、本当に嬉しいですね。
もう一ついい経験だったと思うことは、経営者目線に立てたことです。
おそらく薬学生の皆さんで、『薬剤師になって売り上げをたくさんあげるぞ』と思っている人はかなり少ないと思います。
私も学生の頃は、どちらかというと医療職はボランティアに近い感覚で、経営面は全く考えていませんでした。
ですが、卒業後早い段階でドラッグストアに勤務したことで、売り上げ、粗利など意識するようになり、それをもとに売り場の展開を考えるなど、それまでとは違った感覚を身につけることが出来ました。
その後病院や薬局で働くことになったわけですが、会社や病院に属して働く以上儲けがないと成り立ちません。
医療報酬は小売業の売り上げとは異なりますが、いかに会社として利益を出していくかという感覚を今でも持てているのは、ドラッグストアでの経験があったからこそかと思います。
嫌だったことは?
これは先ほども述べたように、とにかく薬剤師でなくてもできる仕事に割く時間が多すぎるということです。
時給の高い薬剤師に食品のレジ打ちなどさせることは、本来は店のためにはならないことなのですが、店長、社員などにその辺の理解がないと無駄にこき使われて終わります。
薬剤師も医薬品の売り上げを上げる工夫をして、理解してもらうよう努めたいですね。
また、これは会社によると思いますが、私が勤務していた会社はとにかくPBの売り上げをうるさく言われていたので、『本当はこっちの薬があっているんだけどPBを売るべきか?』と悩むことが多かったです。
PBの種類が豊富であれば問題ないですが、今どきこの成分?というようなPBしかないカテゴリーもあったので、なかなか割り切れない部分でもありました。
そんなことを全く気にせずPBを売りまくって会社から評価されている同期をみて、複雑な気分になることもありましたね。
まとめ
今回は、ドラッグストアのOTC薬剤師についてお伝えしました。
現在では登録販売者制度もあり、OTC専門の薬剤師の求人はレアかもしれません。
しかし、調剤併設型ドラッグストアは新卒でも人気の就職先となっています。
調剤薬局や病院で働く上でも、OTCの知識は必ず役に立つので、興味のある方はぜひ参考にしてくださいね!
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